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ヘルボーイ

★★★★★
監督 ギレルモ・デル・トロ 2004年 132分
公式サイト http://www.uipjapan.com/hellboy/

ネタばれとか書いてますが、見る気のない人は是非読んで下さい。
まずこの映画にキーワードを幾つかあげます。
妖僧ラスプーチン、オカルト結社トゥーレ協会*1、異界の門、超常現象調査防衛局、局の存在を隠すFBI、半魚人、エージェントによる極秘裏の魔物退治、倒す度に増殖する魔獣、制御不能パイロキネシス、世界終末の幻視、触手、太古の邪神、霊廟地下に広がる巨大ラビリンス。
これらのステキワードに反応できる人々の中でまだ見てない人はまさかいないと思いますが、まだ未見の人はそのままだと一生後悔します(断言)。
ヒーロー物はストーリー以前にまずキャラ立ちがなってないとダメなのですが、その点この映画のそれはこれまでのアメコミ映画化作品の中でも最高レベルにあると言っても過言ではありません。というかこれが肝。まずヘルボーイ。異界からやってきた魔物であるにもかかわらず、別に魔法とか使える訳ではなく、基本は巨大なマグナム銃で聖水等を込めた弾丸を撃ち、それがなければ肉弾戦です。性格も60年もこの世界にいるせいか、すっかり人間ナイズドされてます。乱暴者で人の言うことを聞かない割に、親代わりの科学者に冷たくされると悲しくなるし、好きな女性の前ではうまく振る舞えず、彼女がデートすれば、ストーキングして男に石を投げたり。でも子供には優しかったりします。次に仲間の半魚人のエイブ・サピエン。異形の者のくせにめちゃくちゃ弱い。役に立ってません。その分知能は高く知識担当みたいですが、30年かかってルービックキューブが2面しか解けなかったりするお茶目さんです。でも大変性格の良い人物で仲間思いで炎の少女チャーリーとの水槽ガラス越しの場面は秀逸です。友達にしたいタイプです。しかも、彼らは作戦時に「レッド」「ブルー」とか戦隊ものよろしく呼び合うんですよわざわざ。その他普通のFBIの局員さんも魅力的だったりします。基本的に善側の人々はいい人ばかりで見てて気持ちがいいです。
敵陣営もなかなかナイスな人材が揃っていますが、中でもトゥーレ協会会長にして、第3帝国科学者将校のクロエネンさんの素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。正直、評価が★5つのうち3つぐらいはこの方のおかげ。開始5分、こんな格好で(LINK)登場。ナチスのコート、鉄仮面、袖から飛び出す刃、どこに嫁に出しても恥ずかしくありません。しかも組織の会長のくせに言葉を話せません。そこが超キュート。現在パートでは滅茶苦茶強いです。おそらく映画内で一番強いのではないでしょうか(参照)。必殺武器のトンファーソードを誰も見ていないのにわざわざ振り回したりして、サービス満点。さらに鉄仮面のデザイン違いを数種類用意していて机の上に並べてオシャレ度を猛烈アピール。しかもゼンマイ仕掛けらしく、自分で巻きます。他にもナチスだけにワーグナー(多分)に耳を傾けうっとりしたりと見所満載。最期があっけないかもしれませんが、あれどう考えても絶対生きてると思います。ああ、きっとこれは恋。映画会社は真剣にスピンオフの製作を考えてほしいです。
他にもヘルボーイは極秘裏に事を成してますが、いささか派手にやりすぎて市民の人には半ば公然の未確認物体として認知されています。そのためFBI自らテレビトークショーに出演してその存在を否定しているのですが、その努力は無益にしてヘルボーイが主人公のコミック*2まで発行されているとゆー世界観も楽しい。
シナリオは設定に粗い部分もありますが、ヘルボーイと少年の交流やら、美女と野獣テイストなパートとか、感情の処理に関しては「人外の者として生まれながらもこの世界に生きる悲哀」「人種を越えた愛」等この手の題材でテーマとなるところはきちんと描かれているので話の流れはスムーズです。正直これに「親子愛」が交じった場面では泣きそうになってしまいました。あと「ラスボス何だありゃ」という方へ。あれは実は教養が試されている部分です。長過ぎるという意見もありますが、こういうのなら8時間ぐらいあっても平気だな自分。
ものすごく褒めちぎっているのには理由があって何でも続編の製作が決定しているらしいのですが、悲しい事に客入りがあまりにも悪いみたいです。僕が見たときも5人ぐらいでした。このままでは日本公開が危ぶまれます。今月いっぱいぐらいは各地で上映しているみたいなので是非。

*1:ナチスの前進だったアレ

*2:ヘルボーイは博士がつけたものなのに何故か一般に知れ渡ったこととか気にしちゃダメですよ。