オルガスマシン(2009年10冊目)
- 作者: イアンワトスン,Ian Watson,大島豊
- 出版社/メーカー: コアマガジン
- 発売日: 2001/06
- メディア: 単行本
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ただ、自分としては次々と提示される通俗的でキッチュなアイデアに満ち溢れた小説として楽しめた。ある意味、一人の少女の冒険小説でもある。疑問を持ちアイデンティティについて考える辺り、真っ当である。ただそこに横たわるのがおぞましい享楽、あるいは苦痛に満ちたガールたちの挿話が話を引きたてる。獣のように、あるいは道具のように扱われる彼女たちの実存を読み取るべきなのだろう。
後、個人的にアイデアは今では割とよくありそうな話なのだが、そこはワトスン、描写がえげつなく、時に禍々しいものを提供してくれる。要はこの作者の硬筆な文章には惹かれる、というのが自分にとっての醍醐味だったのだと思う。