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12月の読書メーター

12月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1686ページ

黒猫/モルグ街の殺人 (光文社古典新訳文庫)黒猫/モルグ街の殺人 (光文社古典新訳文庫)
★★★1/2 恥ずかしながら、「モルグ街の殺人」は初読。しかし笑った。確かに論理的だが、今考えればバカミスも甚だしい奇を衒い過ぎた小説の印象。黒猫は久しぶりに再読。萩尾望都の「残酷な神が支配する」で印象的に使われていたが、そのイメージが逆に甦ってきたところに快感を覚えたり。あとのは「ウィリアム・ウィルソン」が格別。不気味な雰囲気と不条理な感じが精緻に敷き詰められたペンローズタイル(つまり不規則な風にも見える)のようで素敵。昔の小説の文章らしさが新訳でも生かされていて、全体的に好印象の短編集。 
読了日:12月31日 著者:ポー
J・G・バラードの千年王国ユーザーズガイドJ・G・バラードの千年王国ユーザーズガイド
足掛け2年ぐらい少しずつかけて読んだ。二〇世紀最高の知性の持ち主の1人がテレビ番組について語る口調は何か笑えるのだが、あらゆる意味で不健全で不健康、にもかかわらず卑猥にも卑小にもならないのは、言葉の選び方が思想のフレームの両輪として非常に有効に機能しているから、と言いたくなる。それだけに交通事故の話は印象的。そして少年時代の日々の観察眼からしてバラードは既にバラードだったのだ。
読了日:12月28日 著者:J.G. バラード
マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)
ギャンブルの死闘が何と言うか、もう至悦の領域に踏み込んでるドライブ感が物凄い。確率の権化のブラックジャックが、その手を離れて乱舞していて超最高。で、最後の戦いが1巻の対ボイルド戦からカジノ戦を踏まえた上でパワーアップしているのを読みながら、「作者が1巻でああいう風に書いていたのはこのためか!」と喜びながら読ませる。バロットの誠実な生とウフコック(とドクター)の有用性が結びつくラストも格別。エンターテイメントかくあるべし、みたいな小説でした。
読了日:12月24日 著者:冲方 丁
マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA)
前巻から打って変わって頭脳戦。ギャンブルってのはあれだね、少女が性(生(聖))を勝ち取るには申し分ない設定だと思う。しかしこの熱さは普通のバトルよりもいい。頭の悪い人間がどこにもいない舞台はまさに至高。ハッタリこそが最大効力を示すというのと、バロット/ウフコックの二人称的な対話が面白い。作者が吐いたというのにふさわしい出来栄え、1巻に比べて凄くいいところで終わるという意味ではリーダビリティが一番高いと思う。
読了日:12月13日 著者:冲方 丁
マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)
映画の予習としてまず読む。まだ序章的。少女とネズミの出会い。少女の暴走。死にたい人が生きる価値、確信をつかむための物語なのだろう。それだけに中途のモールのシーンはお茶目なのが、生命感あふるる感じ。最後の襲撃シーンは、バロットが圧勝すぎて緊迫感が足りないと思ったらボイルドの有用性への展開が面白い。続きがあることが決定しての話だから、この巻だけとしては少々オチが弱いカモ。ただ、これから映画を観る人は本巻だけでも読んどかないと基本設定がわからないのではないか(これは映画の感想か)。
読了日:12月07日 著者:冲方 丁